こちらの写真をご覧ください。これは歯周病によって抜歯に至ってしまった歯になります。
ザラザラにこびりついているのが歯石です。歯の頭の方についている歯石を縁上歯石、歯の根っこの方についている歯石を縁下歯石といいます。

歯周病は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌によって引き起こされる病気です。歯を支える歯肉や骨が徐々に破壊されていく病気で、日本人が歯を失う原因の第1位となっています。

(永久歯の抜歯原因調査:財団法人8020推進財団,平成30年)
厚生労働省の調査によると、45歳以上の約半数が歯周病にかかっており、まさに「国民病」と呼ばれる状態です。

(歯科疾患実態調査,平成28年から5周年期)
こんなに拡がっている病気なのにみんなが気付かずにいるのはなぜでしょうか?
その理由は歯周病の進行段階にあります。

歯石には大きく分けて2種類あります。それぞれの特徴を理解することが、適切な治療を受ける第一歩です。
こちらの写真をご覧ください。これは歯周病によって抜歯に至ってしまった歯になります。
ザラザラにこびりついているのが歯石です。歯の頭の方についている歯石を縁上歯石、歯の根っこの方についている歯石を縁下歯石といいます。
| 場所 | 歯肉より上の見える部分 |
|---|---|
| 色 | 黄白色〜灰白色 |
| 硬さ | 比較的柔らかい |
| 成分 | 唾液中のカルシウムとプラークが石灰化 |
| 付着しやすい場所 | 下の前歯の裏側、上の奥歯の頬側(唾液腺の近く) |
| 形成速度 | 早い(約2日でプラークが歯石化) |
| 除去方法 | スケーリングで比較的容易に除去可能 |
| 場所 | 歯周ポケット内の見えない部分、歯肉の中に隠れた部分 |
|---|---|
| 色 | 黒褐色〜暗褐色 |
| 硬さ | 非常に硬い |
| 成分 | 歯肉からの滲出液や血液成分を含む |
| 形成速度 | 遅いが固着力が非常に強い |
| 除去方法 | SRP(スケーリング・ルートプレーニング)や外科処置が必要 |
| 危険性 | 歯周病の主な原因 |
歯石そのものは石灰化した細菌の死骸で毒性はありません。しかし、表面がザラザラしているため、その上に新たなプラークが付着しやすくなり、細菌が住み着く温床となってしまいます。
そのため、お口の中の細菌の数を減らす、細菌の悪性化を防ぐという目的のために歯石の除去が必要となるのです。

スケーリングとは、専用の器具を使って歯の表面に付着した歯石を除去する処置です。歯周病治療の基本中の基本となる重要な処置です。
これらの器具を組み合わせて使用することで、効果的かつ効率的に歯に優しい歯石除去が可能となります。

歯肉縁上歯石を除去することで、以下のような効果が期待できます。
軽度の歯周病であれば、正しいブラッシングと歯石除去だけで、2週間程度で歯肉の状態が劇的に改善することも珍しくありません。
歯石の表面はザラザラしており、そこにプラークが付着しやすくなります。歯石を除去することで、プラークが付きにくい環境を作ります。
歯石に覆われていた部分の歯肉は、多くの場合赤く炎症を起こしています。歯石は口腔内の細菌の住処となりそこで歯周病細菌がすみついて悪さをするからです。赤く歯肉が腫れている部分ではあなたの免疫と増え続けた細菌が戦っている証拠なのです。
歯石を除去することで、細菌の数が減り炎症が治まります。
歯石を放置すると、歯石に付着した細菌と体の免疫応答の影響で歯周ポケットがどんどん深くなり、最終的には歯槽骨が溶けて歯が抜けてしまいます。この最悪のストーリーを引き起こさないために歯石の除去は必要なのです。
| 軽度の歯周病 | 2〜4週間(2〜4回の来院) |
|---|---|
| 中等度以上 | 状態により異なりますが、歯肉縁下歯石除去(SRP)や外科処置が必要になる場合もあります |
| 初診 (検査・レントゲン含む) |
約4,000円 |
|---|---|
| スケーリング | 約2,000円 |
| 合計 | 軽度の場合で5,000〜10,000円程度 |

これらは一時的なもので、多くの場合1〜2週間で改善します。
| 原因 | 歯石で覆われていた部分が露出するため |
|---|---|
| 対処 | 知覚過敏用の歯磨き粉の使用、症状が強い場合は薬剤塗布 |
| 原因 | 炎症があった歯茎が治癒する過程で起こる |
|---|---|
| 対処 | 優しく丁寧にブラッシングを続ける |
| 原因 | 腫れていた歯茎が引き締まり、歯石が取れたため |
|---|---|
| 対処 | 歯間ブラシやフロスでケアを徹底 |
治療効果を最大限に引き出すには、自宅でのケアが最も重要です。

歯周病治療で最も大切なのは、治療後の定期的なメンテナンスです。
| 20歳前後の方 | 4~6ヶ月に1回 |
|---|---|
| 歯肉炎の程度が軽度の方 | 4~6ヶ月に1回 |
| 軽度の歯周病治療後 | 3〜4ヶ月に1回 |
| 中等度以上の治療後 | 1〜3ヶ月に1回 |
毎日丁寧に歯を磨いていても、どうしても磨き残しは発生します。また、歯石は約2日でプラークから形成されるため、完全に防ぐことは困難です。定期的なプロフェッショナルケアと自宅でのセルフケアの両輪で、健康な歯茎を維持することができます。

A.歯肉縁上歯石の除去において基本的に痛みはほとんどありません。ただし、歯茎の炎症が強い場合や知覚過敏がある場合には、多少の不快感を感じてしまうことがあります。痛みに敏感な方は遠慮なくお伝えください。
A.これは歯石が取れて、腫れていた歯茎が引き締まったためです。治療の効果が出ている証拠ですので、心配ありません。隙間には食べ物が挟まりやすくなるため、フロスや歯間ブラシでのケアを徹底しましょう。
A.歯周病の検査を行い、段階的に治療を進めていくことが必要です。これは、ブラッシングが改善されないまま縁下歯石だけ取っても、すぐに再発してしまうためです。確実な治療のためには、縁上の歯石と縁下の歯石に分けて取り除くことが効果的です。
A.市販の歯周病薬は症状を一時的に軽減する補助的なものです。歯周病の根本原因は歯石とプラークですので、これらを除去しない限り、根本的な解決にはなりません。歯科医院での治療と適切なブラッシングが最も効果的です。
A.歯石は歯に強固に付着しているため、自分で取ろうとすると歯や歯茎を傷つける危険があります。必ず歯科医師または歯科衛生士による専門的な処置を受けるようにしましょう。
A.軽度の歯周病であれば、1〜2週間で歯茎の色や引き締まりを実感できます。出血も徐々に減少していきます。ただし、ホームケアをしっかり行うことが前提です。
A.妊娠中でも歯石除去は可能です。むしろ、妊娠中はホルモンバランスの変化で歯周病になりやすいため、定期的なケアが推奨されます。ただし、妊娠の時期や体調により配慮が必要ですので、事前にお知らせください。

歯周病は自覚症状が少ないまま進行する病気です。しかし、早期に発見し、適切な治療を受けることで、確実に改善できます。
歯肉縁上歯石除去(スケーリング)は、歯周病治療の基本であり、最も重要な処置の一つです。定期的なプロフェッショナルケアと、毎日のセルフケアの両方を継続することで、生涯にわたって健康な歯を保つことができます。
「歯茎から血が出る」「口臭が気になる」「歯がザラザラする」などの症状があれば、それは歯周病のサインかもしれません。早めに歯科医院を受診し、専門家による検査と治療を受けることをお勧めします。
1本の歯の価値は約100万円とも言われています。大切な歯を守るために、今日から歯周病予防を始めましょう。
気になることが、思い当たることがある場合には当院までご相談ください。

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